宝ホールディングス株式会社の2024年3月期連結決算は、売上高3,394億円(前年同期比3.2%減)、営業利益222億円(同41.4%減)の減収減益となった。事業セグメント別では、宝酒造は焼酎、清酒が減収となったものの、重点ブランド「焼酎ハイボール」や調味料が伸び、売上高1,238億円(前期比0.7%増)、営業利益は、原材料やエネルギーコスト上昇を価格改定やコストダウンでしのぎ55億円(同12.5%増)と増収増益。宝酒造インターナショナルは、海外酒類事業において宝酒造との協業で米国限定の缶チューハイ"TaKaRa CHUHI"等を海外専用商品として新発売するなど輸出の拡大に取り組み、増収。海外日本食材卸事業では、米国での拠点の拡大に注力するとともに、販売チャネルの多角化の推進や取扱商品の拡充などに取り組んだ結果、売上高は1,604億円(同16.7%増)、営業利益は123億円(同13.6%増)と好調に推移した。一方、バイオ事業は、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけの変更による検査関連製品の販売減少、ライフサイエンス研究市場の低迷等により、売上高435億円(同44.3%減)、営業利益30億円(同85.4%減)と、これまでの好調から一転した。2023年度から、 2026年3月期を最終年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」(TGC100)の実行計画の総仕上げに向けた「宝グループ中期経営計画2025」に着手。「成長・強化領域への投資を加速させ、生産性の向上やイノベーションの創出を働きがいを高めることで実現し、グローバルかつサステナブルな宝独自の2つのビジネスモデルを確立・強化することで、バランスのとれた事業 ポートフォリオでの持続的な成長とVisionの実現を達成する」を経営方針としている。初年度はバイオ事業の不調により減収減益だったが、2024年度からの巻き返しを図る。
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